ウロボロス/ラムネになりたい人

一言で表すなら彼女は『不完全な永遠』だと、私は考える。
書物に載っていた'ウロボロス'は彼女の事だろう。
私は彼女を観察し記録することにした。
彼女は言葉を話せない。ただ好奇心旺盛なんだろうか、私の顔を覗き込むとギラつく瞳でただ見つめたり、周りを四股で駆け回ったり、行動は子犬に似ていた。

時折自身の尾を持っては口へ運んでいた。ウロボロスは己を喰い再生し永遠となる。
それの前兆だろうか、私が考察するに彼女は己を喰いきると再生する際に幼体に戻るのではないかと考える。なぜなら書物に載っていたウロボロスはもう少し大人びていたからだ。
だから私は彼女を不完全な永遠と呼んでいる。

成長が遅い。もう何年も経つが彼女はなんら変わらない。完全な永遠の存在なのだろうか?
ただ尾を口に運ぶ頻度は増えた。あぁ彼女がウロボロスになる時は見れるのだろうか。
私は見届けたい。
――――――――――――――――記録は此処で終わっている。

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